3月、インフルエンザもそれ程流行せず静かな外来が続きました。
そんななか、4月からパパの転勤のためこの地を離れるというこども達も多くいます。
また、当地に避難していたけれど福島に戻るというこどももいました。
その子は診察室で、折角たくさんの友達が出来たので福島には帰りたくないと言っていました。
ついつい私も、
“ここにずっといたら?” などと言ってしまいましたが、
パパやママが悩んで決めたことに対して無責任だったなぁと後になって反省するのでした。
ドクターX というドラマ、高視聴率でした。
テレビは殆ど見ない私も、
家族がこの番組で盛り上がっていると、つい一緒に見てしまいました。
現実では、マスコミで取り上げられている名医も実は訴訟を多く抱え、
失敗と言えなくても情報提供が不十分ということで
賠償命令を出されることが多々あるなか、
この番組の主人公である “絶対に失敗しない外科医” はホントに素晴らしい。
そして、この名医に手術してもらうのには
病院からマネージャーに高額なお金が支払われていました。
少なくとも地方の国公立病院では、
名医に診察してもらうのには本当の医療費だけで充分と信じています。
しかし最近(?) は、
医者が “名医になる” にはお金がかかる かもしれません。
開業前は地域中核病院の小児科に勤務していたので、
周辺の開業医の先生方からの紹介患者さんをたくさん診させてもらい、
開業医の先生たちとも顔見知りでした。
開業する場所を決めるにあたっては、
開業を世話してくれる業者さんからのアドバイスを貰っていました。
地域的に小児の人口が見込めるところ、
アクセスのし易いところ、
そして、他の小児科開業医さんとバッティングしないところ
などの条件が揃うところが候補地になります。
そして、現在の地にクリニックを建てたのです。
ただ、それでも遠いとは言えない小児科医院もあるわけです。
大学小児科医局の先輩で、開業している先生の医院を見学に行ったことがありました。
その先生は、 ”スタッフは医院の宝” と言っていました。
私もそのように言えるようなスタッフを持ちたいものだと思いました。
職員を採用するときにいかに良い人材を選ぶか、
そして採用後はスタッフ教育をどのように行うかが非常に大切です。
幸い、私の医院でもスタッフ採用に関しては
上手く行ったと思っています。
あとは、スタッフ教育です。
自分の医院を作るとなったとき、どのような建物にするかいろいろ悩みました。
自分としては小児の病気は沢山勉強していたつもりだったので、
最新の知見を取り入れ、それを 診療に結び付けている医院をイメージした、
近代的で、箱型の外観にしようと思っていました。
嫁さんにそのことを言うと、
“誰が小児科の町医者に最先端の医療を期待するの?” と一蹴されてしまいました。
悔しい思いを切り替え、
優しい小児科をイメージした外観の医院を建てることになりました。
建物が出来て、近所の住人の方々に挨拶をして回ったときは、
“ケーキ屋さんでも出来たのかと思っていました。” と言われました。
もうかなり長いことブログを休んでいました。
実は、2012年の夏に開業したのですが、
その準備や開業後の忙しさで心に余裕がなかったのでした。
医院の開業は、年齢的には45歳がリミットと言われています。
私の場合はちょっとだけ遅めの開業でした。
地方の公立病院でずっと働いていた小児科勤務医が、個人営業店の店主になりました。